美しさとか綺麗とか可愛さとか、そういう人の動きの美というのは、その一挙手一投足が終わった後の指先や髪の揺れに全てが現れると、そう実感せざるを得ない。
ひらひらとゆれる衣装や、客席に視線を投げたその一瞬、そんなきらきらした瞬間に心を打たれることはあるかもしれない。でもやっぱりそんな時よりその所作の終わりの、目線を外したり、髪の毛が顔の動きに遅れてふわり揺れたり、そんな誰も気にしていないような瞬間に、その人が今の舞台や、その動き、楽曲に込めた本当の気持ちが伺えるような気がして。
共有している時間は永遠のような気がして、でもその実そんなことはなくて、だからこそ去り際のその一瞬が、どんな時より一層大事なんじゃないかと、友人と会うたびにそんなことを考えている。 今の関係だっていつまで続くか分からないから、なおさら別れ際が惜しい。
三年ぶりに会えた、五年ぶりに会えた、高校卒業以来、大学卒業以来、どれだけ長い時間がたっても、「また今度」が成立するのはきっと偶然じゃないから、それが当たり前だってだれも保証してくれないから、だからどれだけ時間が経っても、大事にしたいんです。自分のために時間を作ってくれる人を。どれだけ時間が経ってもいつも通り接してくれる人を。